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  • 腰部脊柱管狭窄症という病気
    2012年04月01日 [整形一般]
  • 中高年の方、こんな症状を感じたことはありませんか?

    1. 歩行中や立ち続けている時に,臀部や下肢に痛みやしびれ、感覚の異常が起こったり、筋肉に力が入りにくくなり立ち止まってしまう。しかし、立ち止まったり腰を曲げたりすると即座にその症状は回復する(間欠性跛行)。
    2. 夜間や朝方に太腿やふくらはぎ、足の裏や足の甲のすじが突っ張って痛くなる
    3. 安静時に症状はない。
    このような症状があり動脈硬化ではない事がはっきりしている時は、腰部脊柱管狭窄症を疑います。
    原因は、加齢変化によって腰椎の内側の脊髄の通り道(脊柱管)が狭くなってしまう(狭窄)ことです。
     
    経過としては、軽症の患者さんの半数近くは自然によくなってしまいます。残りの半数の方には、まず保存療法(手術以外の方法)行います。早期に行うと半数近くの方の症状は改善します。下肢の痺れや痛みが主症状の方は、いったん症状が落ち着くとその後の再発は少ないようです。また、その後突然症状が急激に悪化することもないようです。重症の場合は手術療法が適応となります。

    診断は、最近は多くの整形外科に用意してある診断サポートツールという問診票のスコアで行います。確定していくためにはMRIや脊髄造影後CT検査が有用です。

    治療方法は、軽症または中等症に対しては薬物療法とリハビリがあります。
    内服は、消炎鎮痛剤、筋弛緩剤、ビタミンB12が使われることが多いようですが効果についてのしっかりとした研究報告はありません。血管拡張作用のあるプロスタグランジンは間欠性跛行や下肢の痺れには有効です。
    神経根ブロックや硬膜外ブロックと呼ばれる脊椎に行う注射治療は短期的には効果的ですが、熟練のいる手技ですので麻酔科専門医や整形外科専門医が行います。しかし、長期的な効果はそれでも期待できません。
    理学療法と運動療法を併用することは、腰部や臀部の痛みや下肢の痛みに対しては有効です。コルセットを装着すると歩行距離が延び、痛みが軽減することもわかっています。手術を必要としなかった患者さんは、下肢の痺れや痛みが主な症状であったり初期治療で効果があった症例です。一方、症状の重い患者さんの経過は不良です。
    このような保存療法(手術以外の治療法)で2年から10年間治療した患者さんのうち20~40%が最終的には手術が必要になっています。手術については、熟練した脊椎脊髄病専門医が、症状に応じた適切な手術方法で手術を行えば手術成績は良好であり、生活の質の向上は人工関節置換並みの良好さが得られます。わかりやすく言うと、新しいものに取り換えたくらいに非常に良好ということです。これは高齢者でも同じ結果が得られます。ただし、下肢の痺れが完全に取れることはあまりないようです。

    このような病気なのですが、症状には患者さんそれぞれによって違いがあります。早期に発見し治療を開始することがその後の経過に大きく影響してきます。思い当たる症状をお持ちの方は近くの整形外科専門医に相談されることをお勧めします。(2012.April高橋整形外科クリニック 髙橋 貢

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